2017年が幕開けした。
成人の日を前後して新成人が生まれた20年前(1997年)の出来事などが報じられていたが、「十年一昔」と言われるなかにあって振り返ると20年の歳月が経つのも早いものだと感じた。
トヨタの初代プリウスの販売やナゴヤドーム・東京国際フォーラムの完成、漫画「ONE PIECE」の連載開始(現在コミックの累計発行部数は3億冊超)、更には山一證券の経営破綻と消費税の3%から5%への引き上げなど、旧来型の終焉や次代への転換が図られていた時代だと感じた。加えて連合的には、実質賃金が雇用者1人あたりのGDPの伸びに追いつかず、以降の実質賃金がほぼ横ばいで推移していく節目の時代であるとともに、多少の前後はあるが賃金水準がピークとして低下し始め、企業規模間での賃金格差が拡大していくスタートとなった年とも言われている。
改めて、2017春季生活闘争を前にして、「底上げ・底支え」「格差是正」の実現を図り、社会全体へと拡げていくことの重要性とともに、「底上げ春闘」の流れを継続していかなければならないと認識した。
一方、2017年が周年の節目を迎える出来事を見ると、日本国憲法施行から70年とともに、リカちゃん人形(本名は香山リカ)誕生50年、アサヒスーパードライ販売30年、PASMOサービス開始10年などがあげられるが、何といっても2009年の政権交代につながった2007年の第21回参議院選挙において、当時の民主党が60議席を獲得し、37議席に留まった自民党が大敗を喫してから10年を迎えたことも我が事のように記憶に残っている。
しかし、現在の高い支持率を背景に「何でも有り」の一強政治に対し、健全な議会制民主主義を切望している多くの国民がいること、政権交代への流れをつくった10年前の参議院選挙の戦いを想起し、民進党がその受け皿として対抗し得る政治勢力となることを期待して已まない。
あわせて、連合的には労働戦線の統一をめざし、1982年に「全民労協」が結成されてから5年が経過した1987年に「全民労連(民間連合)」が発足してから30年を迎えたことも大きな節目である。そして、2年後の1989年には組合員800万人を結集した「連合」結成へとつながったところであり、2年後の「連合結成30年」の重要な節目を前に、改めて今日までの連合運動を見つめ直し、すべての働く者の声を代表する組織として、「職場や地域の労働者から頼りにされる存在」とならなければならない。
現在の連合組合員数は686万人で、結成当時より100万人以上の組合員が減少し、雇用形態の多様化に十分に対応してこなかった実態を表しており、少なからず社会的地位と影響力の低下にもつながっている。
酉年の2017年、連合の社会的役割と責任を自覚しあい、1000万連合の実現をめざし、全組織が一丸となって組織拡大を推し進め、仲間を取(酉)り込む1年にしたい!




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