連合愛知へ派遣され早3ヶ月。福祉政策の仕事に携わることで、子ども・子育てのこと、障がい者のこと、介護のこと等、今まで知らなかった事柄に触れる機会をいただいた。少しずつだが、私自身の視野が広がりつつあることを実感している。そのことは、この間に1冊の本を手に取ったことからも推察できる。今回はその本を紹介したいと思う。

「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」(角川文庫/東田直樹)」
ステキな表紙絵と興味深い題名の文庫本に目が留まった。会話のできない重度の自閉症である著者が13歳の時にパソコンおよび文字盤ポインティングにより記した本で、知らなかったが世界的ベストセラーとなった話題作らしい。続巻も併せて購入した。第1章『言葉について~口から出てくる不思議な音~』を読み始めてすぐに「そうか。そういう気持ちなんだ…」と気づかされた。すると読み進めていくうちに、自閉症という障がいを個性として感じるようになっていった。著者東田直樹さんの魅力はもちろんのこと、本の帯に書かれたとおり「驚きに満ちた自閉の世界」に間違いなく引き込まれ、視界が拓けた。

社会はいろんな個性を持った人々で構成されている。私は身近な人々のことを知らないでいるよりは知っていたい。まずは少しでも相手のことを知ろうと寄り添う気持ちを持つことから始めようと思う。そんな風に考えさせられた本である。ぜひ、みなさんにお薦めしたい。





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