森と水

今、愛知県名古屋市を中心にCOP10が開催されています。生物多様性の問題など、多岐にわたり議論がされることでしょう。ここ数年、地球温暖化問題が私たちの生活に環境変化をもたらしています。真夏日(25度超)が長く続く、最高気温40度を記録する、集中豪雨などによって各地で土砂災害が多発するなどなど・・・。地球環境の変化が私たちの生活環境にも大きな変化を与えています。


先日、テレビ放映で「日本には、なぜ四季があるのか?」「私たち日本人は、四季のすばらしさをどこまで感じているのか?」などを中心に見る機会がありました。「偏西風が、ヒマラヤ山脈にぶつかって二方向に分かれ、日本の上空を通過することで日本には四季がはっきりする季節があり、私たちは四季折々の変化を味わうことができる(端的にいえば)」というような内容でした。ヒマラヤ山脈がなければ、日本に四季は存在しないかもしれません・・・。しかし、その四季のおかげで、日本には、世界でも有数の森林があります。「豊かな森」は、おいしい水を生み出します。


最近、北海道などで、海外資本がその「豊かな森」を買う動きがあるという話題を聞きました。森林にはすばらしい木材が、そしてその地下には豊かな水があります。海外投資家はそんなすばらしい「豊かな森」に目を向けています。逆に私たち日本がそのことを忘れていないでしょうか。COP10が開催されている今、改めて日本の自然、「豊かな森」を見つめなおしてみたいものです。




連合は、労働者が結集した日本最大の労働組合団体であり、全国で680万人の仲間が集う組織。47都道府県すべてに地方連合会があり、そのひとつが連合愛知で52万人。その連合の最重要課題は「組織拡大」。つまりは、労働者の仲間を増やすことだが、組織の拡大は手段であり目的ではない。雇用の維持や労働条件の向上のために、労働組合のない企業に組合を作って、その組合が連合に加盟することで、労働者の代表としての連合の存在感を高め、労働者の社会的地位の向上や政策制度の実現を目指す。その仲間作りが私の任務。


先日、仲間作りに向け初めて「実践研修会」なるものを開催した。タイトルは「度胸!経験!対応力!トークで勝負!!」。企画した私自身に躊躇や不安もあった。訪問先の了解なしに企業を訪問するカリキュラムがある!そう「アポなし」だから・・・。研修は、産業別組織の担当者を集め、午前の第1部は講義、そして第2部は実践。この実践では、3名1グループで、任意に選定した名古屋市内の企業や上部団体未加盟の組合にアポイントなしで突然に訪問し、連合の考え方や活動を紹介しながら、「組合を作りませんか」、「連合に加盟しませんか」と・・・。


訪問に際し大半の参加者は、戦線悠々としながら名古屋市内に出掛け、夕方に本部に戻ってきた。私の想定と異なり、訪問前とはうって変わって一様に参加者の顔が明るい。訪問結果の報告によると、門前払いは稀で、大半の訪問先で紳士な応対を受けたとのこと。参加者いわく「良い経験になった!」「やってみて良かった!」などなど。私をはじめ主催者側に安堵感が漂い、今後に繋がる研修として一定の満足感を覚えた。「何事にもトライ!」「やってみなければわからない!」と、改めて感じた次第である。研修に参加いただいた皆さんと講師を引き受けていただいた大先輩に感謝しながらも、ここに留まらず、継続しながら実効をあげる「仲間作り研修」のステップアップを思う今日この頃である。



攻めの闘いを

もう10月を迎えた。秋から冬に移る季節であり実り多い季節でもある。今年の夏、ことのほか厳しい暑さが続いただけに過ごし易い時期を迎えた。連合愛知もいよいよ10月28日に、第22回の定期大会を開催し2011~2010の活動方針を決定しなければならない。景気の動向も一寸心配しすぎかもしれないが、為替の問題が景気にどの程度反映され、雇用にどのような影響がでるのか悩みの種であることは間違いない。


政府も雇用第一に22年度新卒者で就職できなかった人への雇用対策が提起され、愛知県でもまもなく実施されようとしている。これも重要な手立てあることには違いがないが、連合と政府が合意している景気・デフレ対策、新たな分野での雇用創出が実現できなければ根本的な解決にはならないものと思う。景気に雇用が左右され、労働組合も受け身にならざるを得ないことも想定される。こういうときだからこそ労働組合が根本的な解決策を大胆に求めていかなければないないと思う。委縮することなく、内需拡大をめざして、攻めの闘いを構築していくべきと考える。



今年の夏、ロシアで干ばつによって穀物単価が高騰した。一方、日本においても、梅雨時期の長雨・ゲリラ豪雨などでの日照不足、その後の猛暑の影響から、とりわけ野菜の高騰が続いた。これらは皆さんもご存じのことだと思う。今年の夏、改めて「食」の問題について考えさせられたのは私だけではないのであろう。


人間が生きていく上での基本は、衣食住であることは間違いないが、その中でも一番必要なものは、「食」であると思う。日本の「食」の現状はどうなっているのか?コメの自給率は100%と聞くが、食糧全体では40%くらいであり、ほとんどが輸入に頼っている。もし、世界のさまざまな事情により、我が国に食糧が入ってこないとなった場合、食糧価格が高騰し生活を圧迫することが予想される。また、飼料も入ってこないことを考えると肉や養殖魚も当然その影響を受け、私たちは、米と若干の野菜や日本近海で獲れる魚介類しか食べられなくなるのではないだろうか。


「食」の安全ということが、最近ではよく話題になるが、それよりももっと大切な「食べることもできない世界」になることが一番恐ろしい。だからこそ、日本は、輸入に頼り過ぎることなく、自らの力(個人及び国全体)で自給率を上げることはもちろん、日本の第一次産業の重要性を改めて見直すことが必要であると思う。そのためには、後継者不足に悩んでいる第一次産業従事者が、自信と誇りをもって仕事ができる体制を構築することが、重要である。そして、その上で、技術国家である日本は、世界の先頭にたち、食べ物の安定供給ができる技術革命をし、第一次産業+第二次産業の一体となった新しいビジネスモデルを策定し、経済大国として発展を!とは、高望みし過ぎだろうか・・・。



新たな年度を迎えて

記録的と言うより、異常な猛暑が続き、例年になく熱中症による思いがけない死亡者が出た今年の夏の暑さも、ようやく衰えを見せ始めました。昔から暑さ寒さも彼岸までという格言がありますが、まさに格言通りの季節の移りかわりを感じます。


秋と言えば、民間企業の多くの組合が新しい年度(任期)をスタートさせます。新たに組合役員になられた方も多いのではないでしょうか。多くの職場組合員が組合役員を信頼し、これからの活動に期待しているものと思います。そのような職場組合員の期待を背に、これから労働運動を進められていかれるのでしょうが、多くの先輩から、「組合の原点は職場にあり」と言われます。額に汗して日夜がんばっている組合員の声に謙虚に耳を傾けるとともに、大所高所からの取り組みを期待します。


第21回連合愛知 定期大会の様子


連合愛知も10月28日に第22回定期大会を開催する運びとなっています。今年の大会は役員の改選年度であり、大会において役員が選任され新たな体制でスタートします。県下52万の組合員とその家族はもとより、広く勤労者・生活者の生活と雇用の安心・安定に向け邁進していく所存でありますので、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。



平和の礎

皆さんは、平和の大切さ、尊さについて、真剣に考えたことがあるでしょうか?しかも、子どもの頃に、親・祖父母や学校の先生から説明を受けて考えたのではなく、自分なりに過去の悲惨な出来事を調べたりして。正直、わたしはそういうことをあまりしてきませんでした。もちろん、原爆が投下された日や終戦記念日の前後には、戦争がどういったものだったかを考えさせる報道が数多くされていますが、それを契機に深く考えたりしている人がどれだけ多くいるでしょうか?


避難壕の糸数アブチガラマの中で、黙とうを捧げました

わたしは今回、初めて連合の平和4行動の沖縄に参加しました。連合役員として参加する以上、見るもの・聞くもの、真剣に理解せねば、という思いはありましたが、そういった学習的な面以上に、人間がそもそももっている素朴な気持ちや普通の人が普通に感じる感性で、改めて平和の大切さと戦争の悲惨さを実感することができました。わたし以外の多くの参加者が感じられたように、わたしたち日本の大人が、将来にわたって平和を守り続け、子どもや孫たちの世代までも、責任をもって変わらない平和な日本を維持しなければならないと思います。


住宅地のすぐわき(写真奥)には米軍基地(普天間飛行場)が・・・


連合の平和行動は、今後も確実に継続します。機会があれば、是非、積極的に参加していただきたいと思います。子どもたちの明るい未来のために。



古今東西、労働運動はさまざまである。しかし、今は画一的な労働運動を組合役員は求めているような気がしてしまう。思い返すと、私が労働運動に初めて出会ったのは組合結成のとき、今から約35年前のこと。当時は争議行為としてストライキに突入する事は珍しくなく、結成したばかりの私が属した組合も例外ではなかった。賃上げ、一時金、秋の権利闘争と、よくストライキに入ったものだ。その時代は労働組合もいろいろで、組合長が変わると闘争自体も過激になったり、会社との融和を大事にしたりしたものだ。また、中には、一貫して上部団体志向の組合や独立独歩で他からの意見はまったく聞く耳をもたない組合など、『十人十色』、いや『十組合十色』であった。当時は、パソコンもインターネットもない時代。組合員同士の心の通じ合いや喧々囂々の議論をしながら、労働運動をしたものである。現在は情報化が進み、他の組合の動きや社会情勢も知ることができ、苦労をして諸先輩方が作った労使関係の道標もしっかりと示された中で、前年踏襲型の活動を、今の労働組合は知らず知らずのうちに求めているような気がしてしまう。これが、マスコミでよく取り上げられる、一番保守的な団体と言われる所以なのであろう。


これからの労働運動は多種多様な活動を求められると思う。新しい分野に活動を展開する際には、自分が属している労働組合の生い立ち(歴史)が参考になる場合が多くある。古き時代のこととは言わず、自分の組合の歴史を見つめ直してほしいものである。ほとんどの組合が経験した「労働組合誕生のとき」、「合理化を経験したとき」、「大きな争議を経験したとき」、必ずその時々に英雄が登場していたのではないだろうか。


さて、ここで提案。忘れてしまう前に自分の組合の歴史書を作ることをお勧めしたい。後輩のために・・・、そして今日の基礎を築いた諸先輩に敬意を払い、大事な労働組合を更に発展・強化させるために・・・



現在、政府主導で進められている「地域主権」。これまで国中心に組み立てられていた権限を地域に移譲しようというものですが、首長により評価は分かれているようです。私たちが住んでいる愛知県は、これまでのように国中心に進めていくべきか、地域主体で進めていくべきか、どちらが県民にとって良い選択なのでしょうか?


愛知県は、「モノづくり」の県として、リーマンショック前は他地域に比べ景気が良いということで特集が組まれるぐらいの地域であり、また、あまり目立ちませんが有数の農業県でもあります。県内には有数の港と空港を擁すなど、貿易の面からも至便な地でもあります。しかし、現状を見れば残念ながら、それらの地の利が十分に活かされていないように感じます。かつての愛知県の活況は民間企業のがんばりで支えられているものでした。故に、企業業績が厳しい状況となった今、他県に比べてより一層厳しい状況となっているのでしょう。また、好況期においても愛知県内の地域によっては、大変厳しい地域もあったことも事実です。


今後、景気動向は徐々に回復に向かっていくと考えられますが、これからが「愛知県」が真に豊かな地域になれるかなれないかの重要な時期なのではないでしょうか。「活力ある愛知県」、来年は愛知県知事選挙と統一地方選が行われます。県を力強く引っ張っていく、リーダーシップを発揮できる人材が望まれます。



7月11日は参議院議員選挙の投票日でした。今回の選挙で政局安定となるのか?あるいは、参議院において民主党が過半数割れとなるのか?結果は・・・、民主党の大敗!ねじれ国会が実現してしまいました。


法律などの制定や改正がなければ、良くも悪くも物事は変わりません。与野党にかかわらず、それぞれの政治家及び各党が、「この法律は国民にとって良いものだ」と、政策(法律)の中身で判断し、よりよい国づくりに向け、努力をしていく。これが本来の政治のあるべき姿でしょう。しかし、なかなかそうはなっていないのが現実なのかもしれません。安定政権でなければ法律などの制定や改正は難しい・・・。その結果、困るのはわたしたち国民なのです。


日本が抱える最大の課題は、少子・高齢化という時代の中、経済は停滞し大きな財政赤字を抱えているということです。多くの人が、「将来十分な社会保障(年金・介護・医療など)を得られないのではないか」という不安を抱えています。また、多くの若者が、「学校を卒業してもなかなか就職できないのではないか」「就職できたとしても十分な給料を得られないのではないか」という不安を抱えているのです。


こういう時だからこそ、政治が果たす役割は大きいのです。テレビ討論などでは、いろいろな政策が並べられますが実行力の点では各党とも課題があるように思われます。しかし、何はともあれ、政治家や政党は国民を幸せにするために、国の経済をはじめ、何事にも責任とリーダシップを発揮してほしいものです。わたしたちの国、日本も諸外国のように意見と行動をはっきりと示す時期なのかもしれません。皆さんはどう思いますか。



もう6月、水無月を迎えた。また、クールビズの始まりでもある。例年なら、5月の連休明けから気温もぐんぐん上がり早くノーネクタイになればと思う所だが、年明けからの異常気象からか、ここ数日好天ではあるものの日中の最高気温は23度前後の過ごし易い日が続いていることもあり、暦を見てやっと衣替えとなることに気づかされた。このまま過ごし易い夏になればと願うところである。


それにしても、連日さまざまな出来事が起きる。自民党内紛等による「新政党」の誕生、ギリシャ発の世界同時株安、宮崎牛の「口蹄疫」感染拡大、沖縄における普天間基地の移設問題等、である。さて、普天間の基地問題、沖縄県には日本での米軍施設が集中し、米軍兵が起こしたさまざまな事件や騒音、墜落事故等、に悩ませ続けられており、沖縄県民の痛みを全国民が理解しておかなければならない事柄だと思っている。先の日米合意と閣議決定、評価は連合本部と当該の連合沖縄に譲ることにするが、何が目標で達成するためのプロセスが何か、今回の決着は通過点なのか終着点なのか、理解できないのは私だけなのだろうか。連合の平和4行動(沖縄、広島、長崎、根室)も6月の沖縄行動からスタートする。これを継起に平和、基地、核、領土問題を改めてみんなで考えてみたいものだ。いよいよ参議院選挙が始まろうとしている。新政権もいろいろ言われてはいるが、マニュフェストで掲げた課題は一歩一歩前進させ、自民党政権とは一味違う政策を進めていると思っている。マスコミは新政権に批判的な報道を繰り返しているが、報道に惑わされることなく、連合の政策実現のためにも「安定政権」となるようとりくみを強化しなければならない。





ページの先頭へ戻る