お菓子の賞味期限改ざんに始まり、農薬入り中国ギョウザ、牛肉・ウナギ等の偽装表示…、そして、ついに日本人の主食である「米」や子どもたちの「給食」にまで毒が回っていたことが白日にさらされました。これまでは、危険なモノは自己責任で買うのを避ければ“安全”などと勘違いしていました。ところが、一部企業による不正犯罪に止まらず、公的年金の管理をはじめ行政の怠慢や癒着なども、不正を知らなかったのは「国民だけ」という有様です。また、日常茶飯事のようにニュースとなる尊属殺人や無差別殺人、詐欺や横領といった犯罪など、私たち「日本の不安全・不安心」はここまで深刻で根が深かったのかと痛感させられる昨今です。 こうした原因は何かと考えてみると、結局はバブル崩壊以降の構造改革路線、すなわち、生き残るためには自分さえよければ良いという、弱肉強食の競争社会を許してきたことにあると思えてなりません。当時、「規制と競争のない社会は停滞を招く」と叫ばれ、もっともらしく聞こえていましたが、たどり着いた今日の「格差と二極化による貧困社会」は、無秩序な規制緩和と過当競争が社会を崩壊させることを如実に示しているのではないでしょうか


連合は、「働く者の連帯で、公正な社会を」という政策の実現を呼びかけています。ここでいう 「公正な社会」とは、同じルールと対等な条件の下で、誰もが正々堂々と活動できるしくみを備えた「公正な競争で成り立つ社会」です。どんな人でも、まじめに一生懸命努力すれば、将来に希望のもてる安心や安全が保障されることを求めています。そのためには、誰かだけがズルをして得をするということがない相互信頼の関係としくみが必要です。 今まさに「公正な社会」に向かうギアチェンジのときを迎えました。自分の利益や欲求のために他人を犠牲にしてしまうのでは、信頼とか、連帯とか、絆とか団結が生まれるはずがありません。私たちは疑心暗鬼になるのではなく、不正には敏感に対処し、力を結集して共に正していく素早い行動が大切だと感じています。



連合愛知は、2009年に結成20周年を迎える。連合愛知結成以前の労働組合は、旧労働三団体、さらには官公と民間に分かれてそれぞれの活動をしており、そういった労働組合がひとつになるということは、実に画期的なことであった。 当初は、労働三団体が進めてきた運動を連合愛知が受け継ぐところからスタートした。そして、取り組みを一つひとつ積み上げることで、活動の礎をつくってきた。特に、政治・政策実現の取り組みは、結成10年目となる1999年に民主党を基軸とした政治方針が確立したことで、組織が一体となった取り組みが展開できるようになり、大きな成果を上げてきた。



私は、9月末をもって連合愛知での専従を終了し、退任させていただく。この6年間の一番の想い出は、2005年に開催された「愛・地球博」である。 労働組合として世界で初めて、主催者の立場で万国博覧会に参加した。多くの方々の尽力を得て運営を成功させるとともに、連合の社会的評価も高めることができた。最も記憶に残っているのは、構成組織が運営スタッフを分担し、来場者に様々なワークショップイベントを提供した「れ・あ・ろ ファミリースクール」である。楽しみながら学ぶ機会を来場者に提供できただけでなく、構成組織の運営協力により、組織全体の力を結集した取り組みとすることができたからである。 あの時のように、それぞれの構成組織の持ち味を活かし、力を合わせていくことができれば、20周年を迎える連合愛知がさらに組織としての力を高め、飛躍していくことができると確信している。



8月28日から29日にかけて発生した「豪雨」により、被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。 連合愛知も「災害対策マニュアル」に基づき情報収集にあたっているところです。被害の大きかった岡崎市では、家屋の床上浸水620戸、床下浸水707戸、また、三河中地域協議会加盟組合では3事業所が浸水によって一時操業停止を余儀なくされています。全労済愛知県本部によれば、組合員のみなさんの床上浸水による被害状況は、愛知県全体で500戸程度と予測されております。 一日も早く元に戻れますよう祈念するとともに、関係行政に対しては、改めて災害に強い街づくりを求めていきたいと思います。


さて、昨日突然の首相の辞任、「またか」と誰もが思われたことと思います。日本の景気に陰りが見え始めたばかりか、原油・原材料価格の高騰など国民生活に影響が出ており、何もしない政府に対し国民の怒りが噴出している最中の出来事に、国民の目線での政治体制を一日も早く作らなくてはとの思いがますます強まっています。



働くってなんだ!

 私は今年、還暦(60歳)を迎えた。これまで42年間、会社に所属し勤務を続けてきたが、「私自身は働きながらどんなことを考えていたのだろうか?」と、改めて思い返してみた。そもそも私は、「この仕事がやりたい」「自分に合った仕事はこれだ」などと考えて就職しただろうか。学校の先生から薦められて入社試験を受けた気がする。静岡県に住んでいて愛知県への就職だったので、親からは「遠いな」とだけ言われたことを覚えている。今ならば近いのだが…。 そんなことで就職した職場で、仕事を続けられたことを嬉しく思う。私は、知識があるだけでは、職場で活躍することは難しいと思っている。仕事のやり方や物の作り方などが時間と共に早い間隔で変わっていくし、「この仕事には何が必要とされているのか」といったことについて考えることが求められるからである。もちろん、併せて仕事を達成するスピードも。それだけに、今の若い方々にとっての働き方は大変厳しいものがある。


でも、ひとつ言えるのは、仕事で苦労したときほど達成感や充実感は増大するということである。私は、働くことを通して人生の勉強をしてきた気持ちでいる。仕事を通じて多くの人との人脈も出来た。人の話を聴くことの大切さも覚えた。小さい頃、親からいろいろ注意を受けたことが今さらのように思い出される。あの時は、素直に聞けなかったのに…。 就職難の時代が、今の格差社会を増大させてしまったのだろうか…。残念でならない。10人が10人とも希望する仕事には就けないかもしれないが、どんな仕事であれ、働くことを通じて勉強になることはたくさんある。まじめに働くことを続けていれば、いつの間にか好きになっているかも。全ては、あなた自身の意志にかかっている。勇気を持って前に進もう!



「もってこ!」と言えば、愛知県の人なら「持っていこうよ!」と呼びかけられていることだと知っています。「買物にはマイバッグを持って、エコな生活をしましょう」と、昨年の8月から取り組んでいるのが、連合愛知の「マイバッグもってeco運動」です。 名古屋市緑区では、昨年10月からマイバッグ利用によるエコスタイルの定着に向け、スーパーマーケット31店舗のうち21店舗、ドラッグストア全14店舗で「レジ袋の有料化」が実施され、買物客のおよそ90%が「マイバッグもってeco」の地域となっています。そして、今年の10月からは名古屋市の東側7区で、さらに来年4月からは名古屋市の全16区で、「レジ袋の有料化」による「マイバッグもってeco」という政令指定都市になる予定です。


名古屋市緑区の市民がこれまでの4ヵ月間に実践した「マイバッグもってeco」によって、75トン(1,077万枚)分のレジ袋使用が減り、CO2は431トン排出抑制されました。これが名古屋市全域で実践されると、CO2で17,039トン、石油に換算すると200リットル入りのドラム缶28,000本分が節約されることになります。石油製品のレジ袋そのものが悪者ではありませんし、減らすことのみが目的ではありません。1回しか使われず、ごみとしてすぐに捨てられてしまうレジ袋がいかに「もったいない」存在になっているのか、ということに気付くならば、マイバッグ持参でecoな行動を率先垂範できるのではないでしょうか。 レジ袋をマイバッグとして何回でも使用するというのも、「マイバッグもってeco運動」の実践だと思います。連合愛知は、愛知県のどこの地域でも、どこの小売店でも、誰もがマイバッグを持って買物できる(環境意識の高い)エコ・トレンディーな街づくりを実現したいと考えています。サラリーマンがコンビニなどで、マイバッグで買物している“愛知”なんて、「かっこいい」と思いませんか?



愛知県における2007年の労働組合の組織率(愛知県産業労働部調査)は、21.4%と前年を0.4%下回りました。“組織率調査”において数値の低下が続いていること自体は変わっていませんが、過去の傾向と比べてみて、ここ数年異なってきているのは、「連合愛知の組合員数そのものは減少していない」ということです。これは、パートタイマーや派遣社員などの非正規労働者が全国で1,700万人を超え、労働者全体の3分の1を占めるようになったことに影響しています。つまり、愛知県では、経済の好調さを反映して非正規労働者が増加したため、数字の上で組織率が低下する結果になっているのです。


 私たち労働組合にとって、働く仲間全体の利益や福祉を幅広く維持・向上させていくためには、働く者を代表する労働組合であることが必要です。「パートタイム労働法」や「最低賃金法」などの労働者に深く関係する法律の改正、不公平税制や年金・医療制度といったさまざまな問題に関する政策の転換等を求めていくにしても、より多くの声を結集しなければ力を発揮することができません。現在、非正規労働者の労働条件や待遇は、決して「良い」とは言えません。パートタイマーや派遣社員といった同じ職場で働く仲間、まじめに働くすべての勤労者を労働組合に迎え入れることは、先送りすることができない喫緊の課題だといえます。



昨今、世の中を騒がせたのが「道路特定財源」暫定税率の問題だ。第一次オイルショック対策として臨時・特例的に設けられ、既に34年も「暫定」が続く極めて異例な税制度である。 これまで、自民党を中心とした勢力が政権を維持し続けたことにより、本問題が国会で議論されることはなかったが、先の参議院選挙で民主党が勝利したことで論議の俎上に載った。たった一ヶ月、暫定税率が日切れとなったものの、4月30日、衆議院の再議決で10年間の継続が決まってしまった。


問題は日本の常識で34年間も「暫定」が続き、更に10年間継続されること、また、10年間で59兆円もの税金の使途が明確にされず、あきれるばかりの無駄遣いが明らかになっても、理屈なしに継続されることだ。 愛知県でも19年度予算ベースで国の直轄事業約900億円が計画されると言われており、その3分の1にあたる300億円は愛知県・名古屋市が負担をしなくてはならない。愛知県は大阪府にもひけをとらない借金がある。さて、どうなることやら?



最近、行政を始めとして経営者や労働組合がワーク・ライフ・バランスという言葉を使い、それぞれの取り組みを具体化しだしています。ワーク・ライフ・バランスは、簡単に言えば「仕事と生活の調和」です。1987年の新前川レポートで、国際調和と国民生活向上の観点から労働時間短縮の“政策目標”として、「年間総労働時間1800時間の達成と、その定着を図る」との政策方針のもと、週40時間労働制を段階的に実施してきました。しかし、今日、改めて社会の状況や働き方を見てみますと、労働時間の短縮は結果的にあまり進んでいません。


今回のワーク・ライフ・バランス論議では、一人ひとりが働き方の見直しをしながら、「自分自身の健康の維持・管理」と「家庭を見直す機会として」の両面が語られています。また、子どもを健やかに育てる意味からも、「男女がともに協力すること」や「地域社会に一人ひとりがどうかかわっていくのか」ということなどが求められています。男女がともに働く社会に変わりつつある中で、社会全体で支え合う環境をつくりあげるためにも、「まずは、家庭から」が大きな意味をもっています。昔は貧しくとも、さまざまなところに“暖かみ”を感じたものです。今の日本社会に欠けつつある課題です。これを機会に、お互いの生活を見直してみてはいかがでしょう!





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