7月1日から男女雇用機会均等法の施行規則などが改正された。
改正内容への対応がされているかどうか、連合本部が作成したチェックリストなどを活用して、労働組合としてしっかりと点検してほしい。

男女雇用機会均等法は、行政が事業主を指導するための法律なのだが、“法律”本体には大枠だけ記載してあって、中身は“施行規則(省令)”に、事業主が講ずべき措置は“指針(告示)”に、行政内部の解釈については“通達”に書かれているという、まさに4段重ねの複雑な構造になっている。

今回、指針の改正で、セクハラには同性に対するものも含まれることが明記されたほか、事業主として講ずべき措置として、性別役割分担意識に基づく言動(ジェンダーハラスメント)の防止や、被害者のメンタルヘルス不調への相談対応が追加された。

先月、東京都議会で女性議員が質問中に、「早く結婚したほうがいいんじゃないか」「おまえが産め」などのセクハラやじが飛ばされた。
女性は結婚して子どもを産むのが当然だという、まさに性別による役割分担意識の表れである。
不適切で不謹慎な発言だが、“女性が働きやすい社会の実現”を自らの政策に掲げていた議員から発せられたというのだから、あきれて物が言えない…。
海外メディアからも批判の報道がされるなど、情けない限りである。

ジェンダーハラスメントには、「男のくせに…」「女のくせに…」「子どもはまだか」と言うことや、女性にだけお茶くみを強要することなども含まれる。
正直、私自身は、お互いの信頼関係や人間関係が良好であれば、冗談の範囲で通じる場合も多々あると思うし、中には、心から相手のことを思っての言動もあるかもしれないが、その言動を望むか望まないかは、された本人が決めることなのだ。
性別役割分担意識に基づくちょっとした言動が、セクハラにつながることを理解しておかなければならない。

新たな成長戦略でも女性の活躍推進が改めて示され、表向きは男女平等やセクハラのない職場環境をめざすなどと言っておきながら、政府や男性の意識がどこまでその本質を理解しているのか疑問視したくなってしまうが、労働組合役員の皆さんには、根強い性別役割分担意識の解消にむけて率先して取り組んでほしい。




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