2014春闘は「すべての組合が月例賃金の引上げにこだわり、経済成長と整合した賃上げの実現をめざす」とした。
今年、輸出産業は軒並み業績回復をしているが、中小・零細企業はまだまだ業績回復していない。
増税前の3月は駆け込み需要もあり一定の収益もあったみたいだが、4月以降の景気の腰折れが今尚続いている。

そこに、原材料高騰による各商品の値上げやエネルギーの高騰や物価上昇があり、企業が影響を受ける以上に、一般消費者やすべての労働者が影響を受けている。
特に厳しいのは、中小・零細企業に働く労働者だ。
最低賃金水準で働いている世帯主も、学生バイトしている人も、物価上昇や消費増税分は負担しないといけないが、多くの経営者は「価格単価の引上げには程遠く、業績回復と賃上げを行えるかわからない。」と主張する。
しかし、組合がない企業はどれぐらい賃上げを行っているか不透明である。

そこで、すべての働く者のセーフティーネットである地域別最低賃金の取り組みである。
地域別最低賃金の決定システムは、最低賃金法からなり「その県内の経済環境・労働環境・その地域の基幹的産業の状況など、さまざまな角度から検証し公労使協議」で決定していく。
今年、中央最低賃金審議会では最低賃金の引き上げ目安額を+19円とした。
そこから愛知県最低賃金審議会では+1円を上乗せし、+20円となった。
それにより愛知県の最低賃金額は昨年の780円→800円に改正され、10月1日から発効される。
例えば、時給800円×所定内実労働時間全国平均(2012「基本構造基本統計調査」)165時間で計算すると132,000円となる。
昨年と比べて、実質上昇額は4,000/月となった。

連合の各都道府県別リビングウエイジでは、愛知県の時給=890円、月給=147,000円ないと生活できないとしている。
さらに、愛知県内は家賃の県内格差が大きく、名古屋市内で換算すると、月給152,000円無いと生活できないとしている。
仮に月に132,000円では家賃30,000円、光熱費15,000円、残り87,000円、31日で割ると1日約2,800円で生活していかなければならない。
あくまでも365日健康で元気であればの話。

愛知県最低賃金の審議会では実情は分かってもらえるものの、地域別最低賃金を引き上げると各経営者団体からの反発がある。
各企業経営者も努力していただいているのは理解できるが、大手企業と中小零細企業の引き上げ率は格差が開く一方で、新規採用者は大手希望に集中し、中小零細企業にはなかなか人が集まらない。
一方で起業する人が減る中「隠れ倒産」や「後継者不足・納入先移転」など、日本や愛知県の「ものづくり産業」の空洞化が懸念されている。
いま政府はこの「ものづくり大国日本」を残していく気がない気がする。

早期に最低賃金、「誰もが時給1000円」を目指し取り組んでいかなければならない。




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